美容やオシャレに敏感な名古屋の方は、「脱毛は自宅で」と考えて家庭用脱毛器を検討している方も少なくないと思います。ご自身のムダ毛はもちろん、「思春期にさしかかった娘や夫のヒゲもケアできてお得」とお考えになるかもしれません。脱毛サロンや美容クリニックで使用している脱毛機器に比べパワーが弱いものの、その仕組みは同じで、光(IPL)を使ったタイプとレーザータイプに分けられます。照射のレベルを変えることができ、毛の濃さにあった調整が可能です。「カートリッジ」と呼ばれるヘッド部分は定期的に交換する必要がありますので、脱毛機器本体とは別に料金がかかることもあります。購入前には「ショット数」もチェックし、他の脱毛機器と比べて検討することが大切です。
自宅で気軽にできるものではありますが、肌トラブルが起きてもすべて自己責任となります。家庭用脱毛器とはいえ火傷の可能性もありますので、注意しなければなりません。「自宅に1台あれば毎日でも使える」と思っても、実際にはムダ毛の成長サイクルに合わせた照射が必要となり、効果を実感するには脱毛サロンと同じく数ヶ月かかります。脚や腕など広範囲にあてるときは、面積が広いヘッドタイプであっても照射漏れがないようにあてるのはなかなか難しい技術です。脱毛サロンや美容クリニックの場合でも、技術の習得までには一定の期間研修を積む必要があるのです。
照射後の冷却措置もご自身で行いますので、保冷剤があると便利です。照射レベルは段階的にあげていくよう説明書には書かれているものの、購入された方はどのレベルで一番効果があるのかを手探りで行っているようです。美容クリニックでの脱毛なら、照射は脱毛のプロであるスタッフに任せることができ、患者さまはゆったりと横になっているだけで済みます。照射漏れがないように当てていき、照射後のお肌の状態を医師や看護師が確認しますので安心度が違います。美容院で髪を洗ったりカットしたりすることと同じように、プロの手による脱毛はお肌の仕上がりに差が出ます。家庭用脱毛器の購入を検討している方はメリットとデメリットを一度確認するようにしましょう。
ご家庭でより効果的に脱毛したいときは、毛の細胞や毛がのびる仕組みを理解しておくことも必要です。ワキやV・I・Oの毛などのムダ毛と髪の毛は、毛の太さや毛質は異なるものの、細胞の仕組みは同じです。髪の毛が抜けたときによく見てみると、毛が生えていた部分はおたまじゃくしのように丸みを帯びており、皮膚の下にあった部分を毛根と呼びます。毛根の中でも丸みを帯びている部分を「毛球」といい、ここで毛の元となる「毛母細胞」が作られます。毛母細胞は毛球の中にある「毛乳頭」という細胞組織が司っており、毛母細胞が分裂したり増殖したりすることで毛がのびていく状態になります。人間の皮膚にターンオーバーと呼ばれる生まれ変わるタイミングがあるように、髪の毛も一定期間の成長期が終わると自然と皮膚外部へと抜け落ちていく仕組みです。
髪の毛は1日で約0.3ミリのびるといわれ、毛が生えてから抜け落ちるまでの期間は男女差があると言われています。女性は4~8年程度と長く、男性は2~6年程度と若干短くなっています。毛が抜け落ちると細胞の働きによって毛の再生が始まります。毛根周辺の細胞はお腹の中にいる胎児のときから作られており、生まれてきてから増えるものではありません。毛根自体の数は増えたり減ったりするわけではないので、毛の多い・少ないは毛の細胞の働きが活発かどうかによるもの。毛の再生は体の部位によっても異なり、ワキの毛が生え変わるまでには約4ヶ月、V・I・Oのデリケートゾーンでは6ヶ月~1年ほどが目安と言われています。
毛の成長サイクルは自然に抜け落ちた後に再び細胞が作られ始める「成長期」、毛母細胞の働きが弱くなって抜け落ちていく「退行期」、毛根の位置が皮膚の浅い部分になってシャンプーやブラッシングなどのちょっとした刺激で抜け落ちる「休止期」の繰り返しです。髪の毛でいうと今触ることができる毛は細胞の働きが終わった部分であり、皮下組織にある毛根部分の成長によって皮膚の外側へと押し出されたものです。脚のすね毛やワキの毛も同じ仕組みですので、表面上の毛を剃ったり除毛クリームで除去したりしても毛は再び生えてきます。「ムダ毛を減らしたい」「もう生えてほしくない」といって脱毛する場合は、毛根と呼ばれる見えない部分へのアプローチが必要となるのです。
医療脱毛はレーザーや医療用IPLを使って毛根部分を破壊していく行為です。脱毛だけでなくお肌のしみやたるみといった美容医療にも使われているレーザーは、波長によってどういった色や物質に反応するか、どこまで到達するかが異なります。黒い色に反応するレーザーを皮下組織に照射すると、黒い毛根部分にレーザーが反応して熱が発生します。発生した熱によって毛根部分が破壊されると、細胞は死んでしまって毛が成長することはありません。一度死んでしまった細胞が蘇ることはなく、毛が育たない毛穴は自然と小さくなっていきます。毛の元となる毛母細胞や、毛母細胞を成長させるためのバジル領域と呼ばれる部分を破壊する一連の行為が「脱毛」と呼ばれるものなのです。
毛根を破壊して毛の成長を止めるためには「成長期」の毛根に照射する必要があります。数え切れないほどの毛がそれぞれのタイミングで成長期・退行期・休止期を繰り返しているので、一度の照射ですべての毛を脱毛できるわけではありません。医療脱毛を行う美容クリニックではスタッフが毛やお肌の状態を確認して、最適なタイミングをお伝えして次回の照射日をご提案いたします。家庭用脱毛器を使って脱毛するときは自分自身で判断しなければならず、なかなかタイミングをつかめない方も多いようです。
ご自宅でのムダ毛処理にはカミソリや電動シェーバーでの剃毛、毛抜きなどがありますが、どれも一時的なものであり毛の成長を止めるものではありません。医療脱毛の料金には医療用として認められたレーザーの機器代に加え、照射するスタッフの技術や照射後のアフターケアも含まれたお値段になっています。家庭用脱毛器は通院する時間も不要で、安価で自宅でできるものですが、剃毛や除毛クリームと同じように手間もかかります。「自分でうまく照射できるかわからない」「自信がない」という方は安心して受けられる医療脱毛と比較して、どちらが安全かを確かめるようにしてください。
家庭用脱毛器を使用したときも医療脱毛をしたときと同じくアフターケアにどれだけ手をかけたかによって脱毛効果に差が出る場合があります。「照射レベルを上げたら思った以上に熱くて、痛みがある」というときはまずお肌を保冷剤で冷やしてほてりをとります。もし湿疹や赤みがひどい場合は皮膚科を受診するようにしてください。赤みや痛みがない場合もできるだけクールダウンの時間を取り、お肌を落ち着かせることが大切です。レーザーでも光でも、一時的に皮膚に刺激を与えて乾燥状態になっていますので、化粧水やクリームなどでの保湿対策が必要です。日焼けしたお肌に照射してしまうとレーザーや光がメラニン色素に反応してしまいますので、季節を問わず日焼け止めを塗って紫外線をブロックするようにしましょう。
ご自宅での脱毛器使用は時間帯を選ばずにできますが、熱いお風呂がお肌への刺激となって痛みが強くなることがあります。照射後は熱いお風呂を控え、シャワーでササッと浴びる程度にしておきましょう。ボディタオルでごしごしこすらず、体を洗うときは泡立てて優しくなでるようにするとお肌への負担が少なくなります。脱毛器の照射をしたあとはオイルマッサージや足つぼなどの刺激になることも数日は控えておき、心臓が激しくバクバクするような運動も控えたほうがよいでしょう。「このくらい大丈夫」と思っていても、お肌にとって負担になることは意外とたくさんあります。お肌を大切にすることは自分を大切にすることにつながりますので、照射後は日頃がんばっている自分へのご褒美時間として、ぜひゆっくりとした時間を過ごしていただきたいと思います。
医療脱毛を受けるメリットとして、多くの美容クリニックは照射後の再診やウンセリングを無料で行っています。ザ・クリニック名古屋はワンドクター制ですので、いつお越しいただいても院長自らが責任を持って患者さまのお話をおうかがいします。家庭用脱毛器にはないメリットの一つであり、医療脱毛や美容医療に自信と責任があるからこその対応でもあります。未成年の方の脱毛も、名古屋では親子で脱毛を希望される方もいらっしゃいます。家庭用脱毛器を選ぶ際も医療脱毛と比較検討し、御自身に適した方法を選んで頂きたいと思います。
脱毛が一般的に普及したと同時に「小学生の娘がムダ毛を気にしている」「脚の毛が恥ずかしいと言っている」といったご相談も多く受けるようになりました。コラムでも「10代からの医療脱毛入門」を書きましたが、高校生を想定したものです。小学生の場合、照射することそのものに問題はありませんが、毛がまた生えてくる可能性があります。毛は「毛周期」を繰り返してのびていますが、この毛周期が落ち着いて一定期間になるのはだいたい20歳前後です。10代、とくに小学生年代は成長期の始まりであり、毛周期は不安定。医療脱毛や光脱毛でムダ毛が生えてなくなったとしても、また毛が生えてくる可能性がゼロではないのです。
毛周期だけでなくホルモンバランスも不安定のため、女性の場合は「生理が規則的に来ているかどうか」を確認する場合もあります。第二次性徴期と呼ばれる大切な時期ですので、毛が生えてきたり濃くなったりするのは自然なこと。「恥ずかしい」という意識が芽生えることも成長の一つと捉えることもできます。親や大人ができることは、「まだ脱毛なんて早い」と頭ごなしに否定するのではなく、ムダ毛をきっかけに体の仕組みを正しく伝え、心に寄り添うことではないでしょうか。現実問題としてムダ毛がいじめのきっかけになることもありますので、ぜひとも親子で話し合う場を設けていただきたいと思います。
「ムダ毛が気になって落ち込んでいる」といったようにどうしても自己処理が必要なときは、親子の肌のふれあいの時間と前向きにとらえ、正しい方法で行うことをオススメします。医療脱毛や光脱毛以外にも、今回のテーマである「家庭用脱毛器」やムダ毛を抑制できる化粧水もあります。電動シェーバーやカミソリを使うときは、専用のクリームなどでお肌を保護しながら使うようにしましょう。小学生向けのファッション雑誌を読んだりダンス教室に通ったり、芸能活動に興味があるお子さまは特にムダ毛を早い時期から気にしてしまうかもしれません。「親子で脱毛しよう」という結論になった場合は、美容クリニックのカウンセリングで話を聞くのも方法の一つです。美容医療という立場から適切なアドバイスや診察を行いますので、どうぞお気軽にご相談ください。